秋月USB-Audio基板の改造
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-02404/
秋月で結構前から売られているUSBAudio+D級アンプ搭載基板です。
USBAudioにUAC3552A、D級(T級?)アンプにTA1101Bが使われています。
09/07/03現在、700円で販売されています。以前は1200円だったと思います。
気にはなっていましたが1200円の価値があるとは思えなかったのでスルーしていました。
700円になっていたので興味本位で買ってみたのですが、これは1200円でも「アリ」だと思いました。
少々の改造で実用性の高いUSBアンプ基板になります。
1.改造のポイント
販売されている状態ではこのような回路構成になっています。
消費電流は無音時の値をデータシートから引っ張ってきました。
問題点
・UAC3552AのGPOIOでTA1101BのMUTEがEnableされている。
→アンプから音が出ない。この問題の修正方法は付属の資料に書かれていますが、無駄な作業が多いので私流の改造を紹介します。
・やたら消費電流の高いデジタル電源をリニアレギュレータ出力から得ている。
→消費電力が無駄に多くなり、(規格内のUSBポートでは)USBバスパワーで駆動できないはず。
デジタル電源なのでリニアレギュレータの綺麗な電源でなく、バスパワー供給で十分です。
アナログ電源は音質・消費電流の少なさ、手間を考えてリニアレギュレータからの供給のままにしておきます。
※ポータブルUSB-HDDを回せる程度のPCならば駆動できるはずですが、規格をオーバーしていることには変わりません。
修正によって基板の発熱も減ります。アッチッチだったのがぬるくなります。
今回、以下のように改造します。
2.改造の作業
音が出ない問題の修正
クリックで拡大
(1)の場所に0Ω抵抗が実装してあるので外します。
(2)の場所が空きパターンになっているので半田でショートします。外した0Ω抵抗をつけてあげてもいいでしょう。
たったこれだけでOKです。ジャンパとかしなくていいんです。
電源問題の修正
クリックで拡大
(1)VDD端子のパスコンとビアの間をパターンカットし、リニアレギュレータからの5Vを断ち切ります。絶縁チェックをしましょう。
(2)パスコンと電源のコンデンサを被覆線で繋ぎ、バスパワーを供給します。
これでバスパワー規格内で動作するようになりました。
無音〜音量小では消費電流は0.3A以下になりました。
改造による副作用
過負荷で電源電圧が低下すると、改造後の回路では一瞬爆音が出て、挿しなおすまで音が出なくなります。
私の環境では、USB延長ケーブル3本直列・トーン調整→バスブースト有効かつ音量最大という条件下で低音が大きい曲を再生したところ、サビで発症しました。
余程の悪条件でなければこのような状態にはならないと思います。
3.機能紹介
このUSBAudioチップUAC3552Aには便利な機能がついています。
ボリュームコントロールを開き、オプション→トーン調整を有効にすると、以下のようにトーンボタンが現れます。
|